記憶のモデル

2018-08-10

記憶のモデル

効率の良い暗記法や記憶力を高める習慣を身につけるために、記憶のモデルを紹介します。

どのように暗記するか、具体的な暗記法を今すぐ知りたいと思うでしょう。

しかし、何故そうなるのか仕組みを理解してから具体的な暗記法を知るほうが、納得して暗記法を使えます。また、あなた自身が、新しい上手な暗記の仕方を思いつくでしょう

では、記憶とは何か、記憶のモデルを説明します。

記憶とは?

記憶とは過去の経験を保存し、後にそれを再現して利用する機能で、符号化(記銘)、貯蔵(保持)、検索(想起)の3段階からなります。

次に記憶の種類です。記憶できる時間により、感覚記憶、短期記憶、長期記憶に分類できます。

記憶のモデル

感覚記憶は、見たり聞いたりしたことを、そのままの形でほんの数秒という短い時間だけ覚えている記憶です。

短期記憶は、得られた情報(感覚記憶に入った情報)を符号化し、一般に十数秒から数分程度(数時間までという定義もある)、覚えている記憶です。また、この記憶の容量(覚えていられる量)には限界があります。

長期記憶とは、長い時間(短期記憶より長く~ほぼ永続的な時間)覚えている記憶で、その容量は大容量です。

この長期記憶は、宣言的記憶と非宣言的記憶に分けることができます。

宣言的記憶とは、言葉で表現できる記憶です。さらに、宣言的記憶には2種類に分けることができ、エピソード記憶と意味記憶とがあります。

記憶のモデル

エピソード記憶とは、「昨日、4時間も数学の勉強した」というものがエピソード記憶です。

つまり、特定の時間的・空間的文脈(いつ・どこで)のなかに位置づけることのできる出来事(エピソード)に関する記憶です。

意味記憶とは、「リンゴは英語でapple、水はH2O」といった一般的な知識としての記憶です。

非宣言的記憶とは言葉で表現できない記憶です。非宣言的記憶には手続き的記憶とプライミングがあります。

手続き的記憶とは体が動作として覚えている記憶です。自転車の乗り方などが例で、言葉で表現することが難しい記憶です。

プライミングは無意識に覚えている記憶で、先にとり入れた情報が後にとり得れた情報に無意識に影響を与える現象です。

勉強した気になる

机に座って、解けない数学の問題を前に30分くらい考え続ける。また、授業の英語の文章をノートに写す。

こういった勉強を続け、数学の問題集や英訳のページは進んでいないのに、時間がえんえんと流れ、勉強した気になります。

解けない問題を考える、文章を写す、のがダメではありません。

しかし勉強の「成果」が出ていないのに、勉強した気になるのは、受験合格から遠ざかっています。

例えば、「昨日2時間、英単語の勉強をした」というのはエピソード記憶です。実際に100個の英単語を覚えいるのではありません。

勉強した気になり、勉強したと言う人はエピソードについて話しているので注意しましょう。

勉強の「成果」は、勉強して実際に単語の意味を覚え英文を読める、公式を覚えて数学の問題を解ける、ようになることです。

「成果」を意識しながら勉強することが合格に繋がります。